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盂蘭盆

盂蘭盆会 (うらぼんえ、ullambana、उल्लम्बन)

安居(あんご)の最後の日、7月15日を盂蘭盆(ullambana)とよんで、父母や祖霊を供養し、倒懸(とうけん)の苦を救うという行事である。これは『盂蘭盆経 』(西晋、竺法護訳)『報恩奉盆経 』(東晋、失訳)などに説かれる目連尊者の餓鬼道に堕ちた亡母への供養の伝説による。

Table of contents
1 語義
2 目連伝説
3 中国での盆会
4 日本での盆会
5 風 習

語義

盂蘭盆は、サンスクリット語「ウランバナ」の音写語で、古くは「烏藍婆拏」「烏藍婆那」とも音写された。「ウランバナ」は「ウド、ランブ」(ud-lamb)の義であるといわれ、これが倒懸(さかさにかかる)の意である。
近年、イランの言語で「霊魂」を意味するウルヴァン(urvan)が原語だとする説が出ているが、サンスクリット語の起源などからすれば、可能性が高い説である。

目連伝説

一般にはこの「盂蘭盆会」を、「盆会」「お盆」「精霊会」(しょうりょうえ)「魂祭」(たままつり)「歓喜会」などとよんで、今日も広く行なわれている。
この行事は本来インドのものではなく、仏教が中国に伝播する間に起こってきたものであろう。現在、この「盂蘭盆会」のよりどころとしている『盂蘭盆経 』はインド以外の地で成立したという偽経であると考えられている。したがって、本来的には安居の終った日に人々が衆僧に飲食などの供養をした行事が転じて、祖先の霊を供養し、さらに餓鬼に施す行法(施餓鬼)となっていき、それに目連尊者の亡母の救いのための衆僧供養という伝説が付加されたのであろう。
盂蘭盆経に説いているのは次のような話である。
安居の最中、神通第一の目連尊者が亡くなった母親の姿を探すと、餓鬼道に堕ちているのを見つけた。喉を枯らし飢えていたので、水や食べ物を差し出したが、ことごとく口に入る直前に炎となって、母親の口には入らなかった。
哀れに思って、釈尊に実情を話して方法を問うと、「安居の最後の日にすべての比丘に食べ物を施せば、母親にもその施しの一端が口に入るだろう」と答えた。その通りに実行して、比丘のすべてに布施を行い、比丘たちは飲んだり食べたり踊ったり大喜びをした。すると、その喜びが餓鬼道に堕ちている者たちにも伝わり、母親の口にも入った。

中国での盆会

この盂蘭盆会の中国での起源は随分古く『仏祖統紀 』では、
武帝の大同4年(538年)に帝自ら同泰寺で盂蘭盆斎を設けたことが伝えられている。
この行事が一般に広がったのは、仏教者以外の人々が7月15日中元といって、先祖に供物を供え、灯籠に点火して祖先を祭る風習によってであろう。この両者が一つとなって、盂蘭盆の行事がいよいよ盛んになっていったと思われる。

日本での盆会

わが国では、推古天皇の14年4月(606年)に、毎年4月8日と7月15日にを設けるとあり、また斎明天皇の3年(657年)には、須弥山の像を飛鳥寺の西につくって盂蘭盆会を設けたと記され、その5年7月15日には京内諸寺で『盂蘭盆経 』を講じ七世の父母を報謝させたと記録されている。後に聖武天皇の天平5年7月(733年)には、大膳職に盂蘭盆供養させ、それ以後は宮中の恒例の仏事となって毎年7月14日に開催し、孟蘭盆供養、盂蘭盆供とよんだ。
奈良、平安時代には毎年7月15日に公事として行なわれ、鎌倉時代からは「施餓鬼会」(せがきえ)をあわせ行なった。

風 習

室町時代には灯籠や大文字などの送り火の行事が起こり、民間で精霊祭という行事となり、7月13日は亡霊がこの世に来るといって、家の内外に火をともして迎え、14・15日の両日は屋内にとどまるとして位牌の前に果物や野菜などをそなえ、切子灯籠を吊してこれを慰め、あるいは墓所にこれをおくなどした。16日の夜は亡霊が再び、この世を去るとして、河岸に松火(たいまつ)をともして、これを送り、供物灯籠を川に流したりする。このように「盆会」は完全に民間の祖霊崇拝による供養行事となった。
この中、13日の野火を迎火(むかえび)、16日の野火を送火、この間に僧を招いて読経することを棚経(たなぎょう)という。供物を供える棚(精霊棚)の前で読む経の意味である。また、16日の晩は寺社の境内に老若男女が集まって踊りをおどるのを盆踊りというが、これは地獄で受苦を免れた亡者たちが、喜んで踊る状態を模したといわれる。
現代では、都市では7月に、都市外では8月に行うことが通例であり、地方出身者は8月に家族連れで実家に帰ることが習慣化している。そのため、8月のお盆にはほとんどの会社が連休を組み、里帰りする人々のために各交通機関は渋滞する。




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