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士農工商

士農工商(しのうこうしょう)とは、江戸時代の儒学者の身分思想を表す言葉で、明治時代から昭和時代にかけて、江戸時代の身分制度の特徴を一言で捉えた言葉として重要視された。

士は武士、農は農民、工は職人、商は商人を意味する。もともと、士農工商とは中国で生まれた考え方で、士は徳に優れたものの意味だったが、江戸時代の日本で士は武士と解された。農業を国の基とし、商人を見下したのも、儒者]の思想の現れである。

明治時代以降の歴史学者は、士農工商の言葉を江戸時代の実際の身分制度を表すものと解釈した。士農工商は歴史学上の重要概念となり、さらに後には、士農工商の下に「穢多」や「非人」を付けて「士農工商穢多非人」という序列があったとする俗説も生まれた。

1990年代以降、歴史学者の見方は士農工商の否定に変化した。江戸時代の諸制度に実際に現れる身分は、武士を上位にし、その下に「百姓」と「町人」を並べるものであった。この制度では、百姓を村単位で、町人を町単位で把握し、両者の間に上下関係はなかった。町人の職業が「工」か「商」かを制度的に区別することはなく、商人を職人より冷遇する制度もなく、また養子縁組・婿入り等により士分以外の者が武士となる例や、逆に士分の者が商人・豪農などへ婿入りする例もあり、士分とその他の身分との境界が絶対的なものであるというわけではなかった。士農工商に含まれない職種(公家・僧侶・神主・役者など)が多かったことにも留意すべきである。




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