元首
元首(げんしゅ、Head of state)は、国家の首長、あるいは国際法上で国家を代表する資格を持つ国家機関。英語のHead of stateは、国家有機体説の産物で、国家を1 つの生き物ととらえた場合の頭に相当する部分であることに由来する。通常、君主または大統領が元首とされる。
元首に関する規定を持たない国も少なくなく、そうした国での元首は慣習上のものである。各国の憲法により、元首が政治の実権を持つ場合も持たない場合もある。実権の有無、統治形態のちがいにかかわらず、多くの国では、元首は国家の長としての特別な精神的権威を持つべきだと考えられている。しかし同時に人民主権の立場からそうした権威を削ろうとする考えも並存する。
元首は通常一人の人とされるが、スイスでは連邦参事会を元首とする説が有力であり、日本にも内閣を元首とする説がある。但し、両国とも外国からはそれぞれ連邦大統領と天皇という一人が元首と見られている。
大日本帝国憲法は天皇を元首と定めたが、日本国憲法は元首に関する規定を設けていない。日本国の元首が何れの機関であるかについては、複数の説がある。日本国には元首は存在しないとする説、外交関係を処理する内閣であるとする説、行政権の首長たる内閣総理大臣であるとする説、外国大使・公使を接受する等の国事行為を行う天皇であるとする説の4説が知られる。いずれにせよ、日本国憲法が必要としていない言葉を外部からどう定義するかという問題であり、どの説をとるかによって憲法体制に変化が生じることはないと学説は説く。
しかしながら政治論議の中では、天皇を元首とするかどうかが、天皇制を擁護するものと批判するものとの間で長く続く争点となっている。右翼・保守が天皇を元首とみなし、左翼・革新が天皇を元首と認めない主張をとる。
日本政府は内閣法制局の「天皇を元首として差し支えない」という見解に立ち、諸外国は天皇を日本の元首として遇している。
日本国の元首
古代ローマで元首(princeps)は、ローマの「第一の市民」の意味で、内戦を勝ち残ったオクタウィアヌスが共和政の形式を残して身に帯びた称号の一つである。これにちなみ、ローマ帝政の前半は元首政として時代区分される。詳細はプリンケプスを参照。






