ペンシルバニアドイツ語
ペンシルバニアドイツ語、ペンシルバニア・ダッチ(Pennsilfaani-Deitsch)とは、北アメリカでおよそ15万から25万人の人々に話されているドイツ語の一種である。
ドイツ語の中でもいわゆる高地(上部)ドイツ語の一種とされる。
"ダッチ"の語は現在ではオランダ人、オランダの産物などを指す英語だが、古くはドイツとオランダの両方を指した。ペンシルバニア・ダッチという呼び方は、混乱を招くにも関わらず様々な理由から今でも(当のその言語の話し手の間や英語圏などでも)使われ続けている。理由の一つはドイツ語でドイツ語を意味する言葉は"Deutsch"(ドイチェ)であり、"ダッチ"と似ていることにある。しかしながら、ペンシルバニアドイツ語はドイツ語の一種であり、オランダ語の一種ではない。
この言葉を使う人は、現在、主に、アメリカのペンシルバニア州、オハイオ州、インディアナ州、それにカナダのオンタリオ州に住んでいる。話し手の多くはアーミッシュかオールド・オーダー・メノナイト派である。 (但し、数世代前は全く違う状態にあった。これについては以下の継承のセクションを参照のこと。また、メノナイト派の内アメリカ北部や南部に住む人々は低地ザクソン語を話すことがある。これはまた全く異なる言語である。)
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2 発音 3 文字表記 4 継承 5 話し手の人口 6 外部サイト |
ペンシルバニアドイツ語は、ドイツのプファルツ(Pfalz)地域の方言に最もよく似ている。しかし、アメリカやカナダに見出されるペンシルバニアドイツ語の話し手は、ヨーロッパ南西部のドイツ語圏の様々な地域からの移民からなる。これはシュヴァーベン(Schwaben)、ヴュルテンベルク(Württemberg)、アルザス(Alsace)、スイスを含む。移民がやって来てから最初の数世代の間に各種の方言が融合し、現在のようなものになったと信じられている。
ペンシルバニアドイツ語は、大衆文化の中ではアーミッシュと結び付けられることが多い。ペンシルバニア・ジャーマン訛りの英語を話す人は、vとwの発音をすり替えてしまうことなどが典型的である。例えば「ワンダフルなバイオリン」と言うべきところを「ヴォンダフルなウィオリン」と言ってしまう、などとされる。但し、現実のペンシルバニアドイツ語の話し手が英語を話す際には非常にわずかな訛りしかない。上のようなイメージは観光のために誇張されているものという色合いが濃い。
現在、ペンシルバニアドイツ語には2つの競合する表記の方法が存在している。
例えば「主の祈り」は、次のように2通りに表記され得る。
ペンシルバニアドイツ語は、少なくとも2つの意味で絶滅の危機に直面している。ひとつには、この言語はペンシルバニア州南東部でかつて日常的に話されていたのだが、今日ではそのような使われ方はされていない。今日でも高年齢層の中にはペンシルバニアドイツ語を話す人々が多い。だが、彼らの孫の世代は英語のみしか知らないのが普通である。もうひとつ、今日でもペンシルバニアドイツ語を日常的に使っているアーミッシュについては、そこに多くの英単語が混ざるようになったことが指摘できる。一部の関係者は、この変化が進展するとやがてペンシルバニアドイツ語は消え去ってしまうのではないかと危惧している。また、この変化が加速しつつあることも指摘されている。これは多くのアーミッシュの大規模な共同体にとって土地が希少になりつつあり、それに伴って農業以外の職業に就く必要性が出てきているためである。工場などで働く場合、英語との接触がかなり増えることになるケースがある。
また、アーミッシュとオールド・オーダー・メノナイト派はかつてはペンシルバニアドイツ語の話し手のごく少数を占めるに過ぎなかったが、現在では彼らだけが世代間の言語の継承を行っているため、話し手の大多数を占めるようになった。ジョンス・ホプキンス大学の社会学者、ジョン・A・ホステトラー(John A. Hostetler)によれば当初これら2つの集団は話し手全体の人口の10%以下であったという。
しかしながら、この2集団がペンシルバニアドイツ語の使用をやめる兆候はない。彼らの文化では言語は従順さ、謙譲の証として扱われ、外部の世界に対するバリアーとして機能している。また、アーミッシュは一般に多産であるため、短期的には若い世代の話し手がいなくなる可能性は低い。ヨーロッパにおける起源
発音
文字表記
参考までに、現代の標準的ドイツ語による表記は次のようになる。継承






