共和制
共和制は、国家に君主を置かない政体のことで、君主制に対置される概念である。共和政とも書く。共和制を取る国家のことを共和国という。
共和制、共和国にあたる西欧諸語 republic 等の語源は、「公の事」を意味するラテン語のres publica で、制度を指す抽象名詞(「共和制」)と、そのような制度を持つ国(「共和国」)とを用語上、区別しない。これに相当する漢語「共和」は、中国の周代に不在の王にかわって諸侯の合議によって政治が取られた時代が『史記』に「共和」と記されたことに由来し、republic の訳語として19世紀にあてられたものである。
自らを古代ギリシャ・ローマの正統後継者と位置付ける近代西欧の思想では、古代ギリシャの都市国家や、ローマ共和国が共和制の端緒とされる。ヨーロッパでは中世イタリアの都市国家や、独立直後のオランダなど、共和国が数多く生まれたが、もともと共和制は君主制の対立概念であっても、民主制とは同義ではなく、古代ローマなどの多くの都市国家は貴族の寡頭政権であり、オランダは現王家の先祖であるオラニエ公家が総督を世襲して政治をとっていた。17、18世紀の西欧では、むしろ民主主義を廃しつつ共和主義を賛美するという思潮が強かった。
市民革命により1783年に独立したアメリカ合衆国や、1789年のフランス革命によって生まれたフランスの共和国は、近代的な共和制のモデルとなり、19世紀以後、世界中に広まる。






