君主
君主(くんしゅ)とは、ある国家において、多くの場合、終身の支配者となる人物のことである。その地位は世襲によって継承されることが多いが、かつてのポーランド・リトアニア王国や神聖ローマ帝国のように選挙によって君主が選出される選挙王制、現代のアンドラのように2人以上の人物を共同君主とする場合、マレーシアのように州ごとの世襲君主(スルタン)が交代で5年任期の連邦国家の君主となる場合などの例外もある。
君主が元首となって統治する政体を君主制といい、君主制をとる国を君主国といったり、君主の称号に応じて帝国、王国、公国などという。君主が絶対的な権力を持っている政体は絶対君主制といい、憲法によって制限される政体を立憲君主制という。日本国憲法下の日本のように、君主が権力をほとんど持っていない場合もある。
君主の多くは世襲で継承され、同一家系から君主が連なるときにその家系を王朝と呼ぶ。王朝は時として簒奪や断絶によって交代するが、世襲の君主制で王朝交代は非常事態とされる。
世襲によらない君主制もある。君主権は、起源において、臣下の承認によって成立したものであるから、当初は君主が自由に処分できるものではなかった。その承認は(少なくとも支配集団の)共同の利益を実現する職能に対して与えられたから、無能な人物を血縁上の順位を理由に君主にする必然性もなかった。ローマ皇帝は、世襲原理をとらなかった顕著な例である。単数・複数の血族集団の中で年齢と能力を認められた者が君主を継承する慣行は、殷、日本、新羅のそれぞれ初期など数多くあり、古代にはこの方が一般的だったかもしれない。中世のドイツ・ポーランド・ハンガリーでは王家の断絶をきっかけに選挙王政が成立し、モンゴルの諸ハン国は事実上の世襲だがクリルタイによる選挙で君主を決めた。
世襲によらない君主継承は、君主の死のたびに継承争いを引き起こす可能性を含んでいる。また、自分の子孫に君主権を独占させたいという現君主の欲望に即さない。継承の安定をはかり、現君主の意思を通すための制度として、皇太子制がある。これは現君主の存命中に次の君主を決定し、継承争いを予防するものである。共同統治制も同じ目的で用いられることがある。
継承がさらに制度化されると、継承順位が世襲原理によって規定されることになる。その規定には、長子相続制があてられる場合が多かった。長子相続制は次代の君主を自動的に一人に確定できるので、君主の継承の際の紛争を最小限にした。しかし血縁の順位のみで選ぶと無能な君主や幼少の君主の出現が避けられない。そのような治世は、政治の混乱を来たすことが多かったが、継承の安定と引き換えに統治の実権を臣下に移すきっかけになることもあった。君主の継承






